共創フォーラム報告

08' 第6回 共創フォーラム ヨコハマ
2009年5月13日 22:06

【基調講演】【講演】

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フォーラム概要

日時
2009年3月30日(月)15:30~17:45
場所
横浜市開港記念会館 講堂(横浜市中区本町1-6)
15:30~ 横浜市長 中田宏
「楽天グループの成長と戦略」
楽天株式会社 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史
「横浜市の新たなチャレンジ『共創』~この1年のあゆみとこれから」
横浜副市長 野田由美子
16:45~ パネルディスカッション
A.公有資産利活用におけるPPP
B.国際戦略におけるシティープロモーション
C.エリアマネジメントによる地域活性化

【基調講演】楽天株式会社 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史

三木谷浩史テーマ1:楽天グループの成長とそれを支えた戦略
テーマ2:『インターネットで地域をエンパワーメントする』とは?
テーマ3:地方自治体との連携で展開している『まち楽』の事例

【講演】横浜市 副市長 野田由美子

「横浜市の新たなチャレンジ『共創』~この1年のあゆみとこれから」

野田由美子「共創元年」振り返り、共創推進の指針および対話の場の提供などの基盤を再確認。行政だけでは解決できない多くの社会的課題に対して、民間のアイデア・経験・企業家精神の発揮により、課題解決のアプローチの創出を期待するとともに、一歩進んだ公民連携として、「公」を共に創る(公共を高める)という目標を語る。

【パネルディスカッション】~グループディスカッションの各グループのまとめ発表~, A. 公有資産利活用におけるPPP

<パネリスト>
A. 公有資産利活用におけるPPP
日本政策投資銀行 公共ソリューション 部長 藤田寛
共創推進事業本部 担当課長 嶋田稔
B. 国際戦略におけるシティープロモーション
シビックプライド研究会 東京理科大学理工学部建築学科 准教授 伊藤香織
共創推進事業本部 シニアプロジェクトマネージャー 橋本徹
C. エリアマネジメントによる地域活性化
ナレッジトラスト代表 三浦由理
共創推進事業本部 共創推進課長 鴇田傑

~共創フロントを通して、具体的な公民連携事業に結実させていく~

小林賢次郎
<コーディネーター>
共創推進事業本部
担当部長
小林賢次郎
本日のテーマは「共創で日本を、地域を元気にする~共創フォーラムでの議論から~」です。2008年10月24日に行われた3回目のオープンフォーラムを除き、毎回グループディスカッションを行って参りました。本日は、各グループ<A.公有資産活用PPP(「Public-Private Partnerships」:公民連携) B.国際都市戦略とプロモーション C.エリアマネジメントによる地域活性化>から、共創推進事業本部の担当者と、民間からご参加いただいた方をお招きしています。「これまでのパネルディスカッションで何が議論されてきたか」という紹介と「今後どのような形ですすんでいくのか」という方向性について、各グループお話していただきます。それぞれのテーブルで盛んなディスカッションがこれまで展開されてきています。共創フォーラムでは、民間と行政そして市民の方々、合わせて色々な観点から議論をして、それを具体的な方向に徐々に収束し、議論を発散させて終わらないという方向で前向きに何かを創りだしていこうとメンバーが議論を重ねています。具体的な共創フロントを通した実現例、具体的な公民連携事業といったようなものに結実していく、その種を生むコミュニケーションの場という非常に重要なものであるという我々も認識していますので、2009年4月からの新年度も共創フォーラムを続けて参りたいと思いますので、直接参加、メールあるいはSNSでのご意見など、積極的なご参加をお願いします。

A. 公有資産利活用におけるPPP

公有資産を取り巻く状況や課題、公民のリスク分担、民間が参加しやすい条件等、これまでの議論を振り返りながら、公民連携による公有資産利活用の方向性を探る。

~市民の「利益」「意思」を生かした公民連携をすることが大きな課題~

藤田寛
<民側>
日本政策投資銀行
公共ソリューション部長
藤田寛
Aグループにおいては「民の不安・民の不満」という点で様々なご意見がありました。(中略)民間の活力を使って、官の側が「良い地域をつくりたい、良いサービスを提供したい」という気持ちで構想を創り民間に募るわけですが、「少しでも良い提案がほしい、良いトコ取りしたい」というのが、官側の気持ちでしょうし、結果として市民のためになることも事実です。募集を経て決定をし、運用監視(指定管理者とは限らない)、その構想に対し何を信じていけばよいのか?知的財産権は大丈夫か?苦労(時間やコスト)は報いられるのか?という気持ちが民間とすれば当然でてきます。決定がされたところで、目的外使用ということにはならないか?思うように施設を使わせてもらえるのか?色々な制約ばかりで結局思っていたことが全然できないのではないか?ということもでてきます。一方、大規模修繕は本当にやってくれるのか?こういうことも出てきます。想定外の出来事への対応も心配。これまでの議論を整理すると、このあたりが官の思いと民の思いの間で出てきます。議論の中で指摘されて、非常に重要な点がありました。大事なことは共創の視点で、冒頭に中田市長あるいは野田副市長が話されたことでもあるのですが、どうしても官と民が、あるいは公共団体と民間事業者が向かいあうと、自分たちのことを色々言うようになります。実は「何故公民連携をするのか?」の中で一番大切なのは、市民の利益なり市民の意思を活かしていくというところで、これはフォーラムの中でも基本におかなくてはいけないと非常に強い指摘を受けて、全くその通りだと思います。官の決定権という問題点もあります。色々とプロジェクトが流れていく過程で様々なことが起こってくるわけです。中田市長もおっしゃっていたように、公共の「公」というのは、いわゆる官、公共団体の独占物ではないということですので、その際に、民の思う公共と官の思う公共とが相違する、すれ違う可能性があると思っています。それによって様々な問題が、これまでのコンビネートプロジェクトでは起こっていると思っていますので、そこを調整する仕組みたいなものを考えておかないと、結局またお互いがすれ違うことになってしまう。市民の利益とは何か?というのは、実はそんな簡単に決まらないことがあります。どう調整していくのか、これは非常に難しいですけども、非常に大きな課題になるのかと私は感じています。

~「民間事業者・市民・横浜市」三位一体の公民連携による新たな公有資産の利活用を作る~

嶋田稔
<官側>
共創推進事業本部
担当課長
嶋田稔
冒頭の市長のお話にもあった通り、非常に厳しい財政状況にあり、行政改革が求められています。人口急増期に整備した公共施設の老朽化で一斉に更新の時期を迎え、保全費の捻出も非常に大きな課題です。また少子高齢化との視点から市民ニーズも多様化・複雑化し、限られた行政資源を、市民ニーズにどう的確に、また持続的に応えていくために何をしていけばよいか?ということが、横浜市において非常に大きな課題になっています。そのポイントのひとつに公有資産の有効活用ということを挙げてみました。しかしながら市役所の限られたリソースの中で、見えない部分もたくさんあるだろうということで、民間活力により公有資産の課題をクリアしていくことが大きなテーマの目的です。「民間事業者・市民・横浜市」と3者のメリットを踏まえたうえで、公民連携による新たな公有資産の利活用の市場環境や仕組みをどう作っていくかということを、このフォーラムを通じて、アイデアを発見し、実際の今後の公有資産利活用の業務推進に資することが出来ないかということでございます。簡単に今後の方向性ということですが、公有資産ということで今回最初に口火をきっていただいた、東洋大学の根本教授が、官の決定権問題ということをおっしゃっていました。つまりPPPをやるかどうか?やるとしても、その時期とか規模とか内容とか、やはり官が先行して決めてしまっている。そこから民間の皆さんどうですか?と言っても、これでは中々参加できないのでは?というようなことを、ご指摘いただいたことが、非常に印象強く思っておりまして、それを打開するということで3つ挙げられていた1つに、民間発案ということをおっしゃっていました。実は第5回の公有資産のテーマのひとつに民間発案による、民間参加型の公募事業の手法についてということを、私なりに議論させていただきましたので、そういう意味で、ひとつは公民の役割分担というもの踏まえた上ですが、今まで以上に民間の方が参加しやすいような仕組みの構築、PPP型の公有資産活用事業手法のあり方という、第5回の意見交換でたくさんのご意見をいただいていましたが、まとまりきれていない部分もありますので、引き続きひとつは民間発案型の公募事業というものはいかにすすめていくことができるか?どういう手法をつくったらよいのか?というところをつめていきたいと思っています。もう一つは既に管理・運営されている公共施設もありますので、これも民間の皆さんのパフォーマンスを最大限に引き出していくための、制度運用のあり方、また公民で分担するリスクというものを、なるべく見やすく可視化して、約束どおり公民しっかり履行していくというルール作りもつめていきたいというイメージも少し持っています。

B.国際都市戦略とプロモーション

ヨコハマという「場」をプロモートし、国際的に選ばれる都市になるための戦略の必要性と、その具体例として、アムステルダムやバルセロナのシティープロモーションの事例を「シビックプライド」という視点で読み解き、横浜が学びうることは何か議論する。

~シビックプライドの醸成がプロモーションになっていくのでは?~

伊藤香織
<民側>
シビックプライド研究会
東京理科大学理工学部
建築学科准教授
オランダのアムステルダムとスペインのバルセロナ2つの事例をご紹介させていただきたく思います。(中略)アムステルダムもバルセロナも非常に面白いコミュニケーション戦略を持っているわけですが、それぞれ特徴がありまして、アムステルダムは、官民の多様な組織を包括する緩やかなパートナーシップを組んでいる。そこから徹底したマーケティングと創造的なキャンペーンをしている。「I amsterdam」という統一されたビジュアルをもちフレキシブルな使い方を許容するキャンペーンを行っています。バルセロナは、市のリーダーシップで行っていますが、コミュニケーション局という市長に近しい組織がリードしているが、市民やクリエイターが一緒になって盛り上げて都市のプレゼンスを形成しているという特徴があります。バルセロナの人々は一般家庭でも、夕ご飯の時に都市計画について親子で話すなどの素地が出来ています。それから観光客をも巻き込んで「バルセロナ・ファン」をつくっていくというような特徴があります。シビックプライドとは、都市に対してもつ愛着、誇り、自負心のようなものですが、その醸成は、都市のプレゼンス形成と不可分であるということであります。何故かというと、例えばバルセロナの住民に対するプロモーション(コミュニケーション)が、住民と来街者との区別というものはそれほど明確なものではない。気に入ってくれたらその街に住むようになるかもしれないし、ただ通ってきている人もそこで働いている時間が非常に長かったりする、それは容易に遷移する、遷ろうものなので、必ずしも住民向、来街者向という風に分けることは出来ない。それから市民こそが強力なメディアのひとつであることを考えると、シビックプライドの醸成というものが大事ということになります。今後については、シティープロモーションは、昔からあった観光プロモーションみたいなものを変形的に思いがちですが、やはりそれが長続きしないというのは何か理由があって、一人ひとりの中で、横浜市がピカピカ輝く存在になってない、それは街の人にも国際的にもそうですが、シビックプライドのところを醸成していくことによって、結果的にプロモーションになっていくのではないかと考えています。

~それぞれの強みを活かして、大きなシナジーを!~

橋本徹
<官側>
共創推進事業本部
シニアプロジェクト
マネージャー
橋本徹
私どもは国際プロモーション戦略を、どのように考えたらよいだろう?という話をしてきました。横浜市は新たな国際戦略を立てている状況で、大きく言って3つ、あたりまえのことですが、もう一度「選ばれる街」にしていこうということで、「選ばれる街」というのも色々な面があるだろうということで、住みたい、住んでみたい、住んだ人達が住み続けたい街、それから企業が進出してここで活動してみたい街、さらには人々が訪れてみたい街、まずは訪れる街から始まるのかもしれませんが、まずこのような大きな柱を立てて、ちょうど検討が終わったところです。9月に第1回の分科会をした時には、幅広い国際化戦略が必要ということで、あれもある、これもあるという状況で、その時点では国際戦略もあまり整理されていなかった状況ですので、全てのことを洗い出し、国際化のためにはどんなことをしなくてはいけないのだろう?例えば、今日もお越しいただいていますがインターナショナルスクールのことも強化しなければいけないし、さらにはホスピタリティある街づくりということで、色々な通訳も充実していかなければいけないし、さらに羽田の再国際化ということで道路の建設もしっかりやらないといけないということで、本当に幅広い論議をしました。その中でやはり官と民の連携ということだと、オール横浜であまり大きな仕組みも実は必要ないのでは?素早く取り掛かれるということで、プロモーションは官民オール横浜でやるという体制を整えていく必要があるという風な結論が出まして、「選ばれる街」ということでやっていこうことになりました。先ほど市長からも話がありましたが、観光交流ということであれば、既に事業本部は立てられ、ディスクローズされビューローも立ち上がっているなかで、さらにそれを超えた長期的な「選ばれる街づくり」というものを外に発信していかなくてはいけないのだろう、そのために官と民で何が出来るかということを色々話し合ってきました。具体的に戦略ではなく、話したことの断片をご紹介します。考え始めたとき、都市間競争が激しいということを感じました。わが街を選んでくださいという情報を莫大に発信していることがよくわかりました。我々の自分たちの意識「横浜最も良い街だ」と言っている状況にしていかないといけないと思います。(中略)消費構造の変化から考えるプロモーション・方向性、役所の中だけで話しても多分駄目だったのだろうな、とういことも出てきました。メンバーの中に広告代理店の方もいらして、「AIDA(Attention, Interest, Desire, Action)からAISAS(Attention, Interest, Search, Action, Share)に消費者は変わってきた」ということでした。劇的に変わっているのは「search(価格調査)」「share(口コミ)」、その循環をどう作るのか?が非常に重要になってきます。この部分は皆民間の部分です。「search」の前に「interest」を作ることが大切。「interest」に「公共性・社会性・話題性」があると、AISASの部分に簡単に入っていくことができるそうです。「横浜って流行っているよね」「Y150だね」「何かカッコいいね」「ゆずがテーマソングつくったね」「信頼できるよね」これは私たちが作っていかなくてはいけないのですが。そういう意味で、何を申し上げたいかと言うと、「AISAS」のフローは民の方がそれぞれの業界で、例えばレストラン・ホテルを作っていかなければならない。ただそれに対して、入ってくる部分、つまり公共と民間が一緒になって、横浜というものを打ち出していかなくてはならない部分だと思います。そういう意味で、「attention」を増やすためには、そもそも横浜に対して関心を持ってもらうことが必要だということです。横浜に目を向けさせるための「interest」を作らなければならない。それは例えばY150であり、来年はAPECになるのかもしれません。「AISAS」の前にさらに「I」を持ってくることが重要であるとするなら、何が「I」になるのか?それは観光資源なのか、ビジネスチャンスなのか、住みやすさなのか、羽田からのアクセスなのか?ということで、「I」を創っていこうというところまで、皆で話を出来ている状況です。私どもは今このように考えています。「それぞれの強みを活かして、大きなシナジーを!」コミュニケーションデザインというのは、非常にインターネット時代すすんでいます。私どもが今まで考えていなかったような、人に伝える方法がたくさん出てきています。それを専門的な知見とコンテンツが良くなければなかなか見てくれないということがあります。ここが一番大事なところなのですが、ハマのリーダーと書いてしまったのですが、これはほとんど自称なのですが、リーダーとまだ認められなくても、やる気があるリーダー是非来てくださいということで、地元の知見、横浜をどんどん出していきたい、その出す数々の経験なり、知恵を持っている方、そして共創フォーラムは市役所がコーディネーターやっていますので、その調整力と行政の知見、先を見通す力あるいは公平性、先進性・たくましさ・挑戦というのは市民側だと思いますが、それらを頂きながら、世界に選ばれる都市を目指すというスローガンでやっていますので、横浜市も加えて頂いて、その中でコミュニケーションを色々図ると、そして共創による国際プロモーションということで、このような三者のシナジーにより、強い日本を、「横浜」を通じて世界に発信していけるような場をつくりたいということです。今後のやり方は、このようなface to faceの向かい合ったというか、あるいは皆さんが一堂に会しているやり方です。もうひとつ、実は非常に先駆的な試みだと思うのですが、ソシアルネットワーキングサービス、SNSという掲示板を立ち上げています。ほとんど発信、書き込みしているのは、まだ市役所の人間だけという寂しい状況もあるのですが、そこにかなりの知恵が今蓄えられています。それは皆でシェアしながら考えていく、その知恵をface to faceで会って語り合うということにしていきたい。伊藤先生の本を読ませていただいて、非常に心を打たれたのですが、そこだけ引用させて頂きますと、非常に簡単なことなのですが「あなたの街は愛されていますか?そこに住み続けたい人はいますか?そこで働くことがみんな好きですか?そこに遊びにいきたいですか?そこには街のために何かしたいと思っている人がいますか?そうした人達が活躍できる場はありますか?あなたの街はワクワクするような予感に満ちているでしょうか?」このような簡単な問いを発しながら、そういうようなイメージをどんどん作っていって、それを発信していくというようなことを、来年度は1年間かけてやっていきたいと考えています。

C. エリアマネジメントによる地域活性化

「エリアマネジメントはなぜ必要なのか?」という問いかけから、横浜の現状を分析し、方向性を模索する。

~「三方一両損」精神の共有、地域主体のエリアマネジメントを尊重~

三浦由理
<民側>
ナレッジトラスト
代表 三浦由理
今回のフォーラムを通して感じたのは、エリアマネジメントというのは3つの特徴があるというところです。大変さ、利点含めてまず1つ目は、落語のひとつにもある通り、三方一両損というような精神がどこまで共有できるのか?というところです。Winwinということで、最初共創フォーラム始まりましたが、それぞれが勝つということよりも、誰がどういう汗を流すのか、どういう1両を出すのかということが大変重要ではないか?と思います。行政と地権者・事業者それぞれの主張をし合うばかりでは、なかなかすすむものもすすまない。大岡越前のように、何の関係もないのに1両出すというのが、一番行政に近いかと思う。地権者と事業者というのは、それぞれ行き着く果てに利益があったりするわけで、自分たちは何を捨てて、何を得るのか?ということを明確にしていく必要があるのでは?ということで、三方一両損を考えながら、今後エリアマネジメントをやっていく必要があるのではないのかということを、皆様とお話しながら感じたことが1点。2点目はエリアマネジメントに限らないかもしれませんが、個別に活動していては得られるお金は大きくならないという話がエリアマネジメントのグループで話がでました。個別の団体さんは一生懸命やっているのだけど、それが総力としてどうも力になってこない。私はエリアマネジメントに今後期待されているひとつとして、いかに総力として力を発揮できるか、ということが求められると思う。そのためには、例えば150周年という一つの目標にむかって、何かお互いの利益を乗り越えてやっていくということが求められるということが感じられています。3点目は、共通の時間感覚を持てるかどうかということです。行政は5年先、10年先ということを考えられる長期の視点に立つことができる、素晴らしい団体であると考えています。ただ今話し合っていることが、5年先のことなのか、それとも来年のことなのか、あるいは自分達の代ではないけれど、次の代に何か受け渡していく時、引き継いでいく時にこれだけは譲れないというものを話しているのかということを、共通の認識の中で話をしていかないと、やはりマネジメントは出来ないし、行政と民間が同じ土俵で話をすることが出来ないのではないかと感じました。エリアマネジメントのひとつの目標というのは、ある街の目標に向かって、一丸となって突き進んでいくことだろうと思います。(中略)エリアマネジメント本来であれば、その地域の方が一番地域のことを知っているわけですし、単なる地域の特色ということだけではなく、その地域に流れている歴史的な時間、そこに住む人、その人達と何が出来るのか?あるいはその次の世代に対してその地域の何を残していくのかということがまず議論のベースにあって、その上でその部分はどうしても行政の手を借りないと何とも解決できないという部分に行政とのタイアップを考えられるよう民間事業者との連携を考える、あるいはそこにある大学や研究施設とのタイアップを考えるというのが自然だし、一番永続的な活動を促すのではないかという風に考えています。行政主導のエリアマネジメントではない形で何とか活動に着手したいなと考えています。今日参加してくださった方も是非この共創フォーラムのなかで、ともにエリアマネジメントについて語っていく機会があればいいなという風に思っています。

~費用負担がなく、持続的に課題解決する事業~

鴇田傑
<官側>
共創推進事業本部
共創推進課長
鴇田傑
公民連携には色々な分野が当然ありますが、エリアマネジメントは公民連携の典型例であると思います。必ずしもエリアマネジメントといえるかどうかわからないのですが、いくつか成功例が報告されています。1つ目は、制度改正に伴い統一した広告を出しながら、団体の収入にしていくという大手町の事例。こちらは横浜でも、いずれやりたいという話は出ています。2つ目は、広告を募ることで青葉区の金銭負担なく、地域防災拠点を示す表示板を区内60箇所に設置した事例。3つ目は、横浜市における平成18年4月の市街地環境設定制度改正により、公開空地で駐輪場を作って良いことになり、コンピュータ制御による駐輪場を設置・運営をしている会社が駐輪場を作り、公開空地が自転車であふれていた状況を約550台の駐輪場を設置し、地権者や横浜市に金銭負担なく、軌道にのっているという事例です。この3つの事例に共通することは、第3者の民間企業が収益事業を行っているということで課題を解決しているという点です。そのため地元の負担も少なく、逆に収入になるということで持続可能性も出てきます。一方、行政側は制度改正をするようなことしかしていないのですが、永遠にだすことが出来るわけでない補助金を出すというのと違って、持続可能となります。今後の取り組みについてですが、費用負担がなく、さらには持続的に課題解決するというモデル事業を具体的に考えている次第です。来年度引き続きやるようなことがあれば、具体的な地域を特定して、より具体的に話をしたいと思っています。

~このつながりを来年度「具体的プロジェクト」につなげていく~

土井一成
<総括>
共創推進事業本部
本部長
土井一成
2008年4月から、暗中模索そして試行錯誤の連続でスタートしました。野田副市長の方からも紹介ありましたが、共創推進の指針、公民連携事業に関する相談・提案窓口、そして本日のような共創フォーラム、ご出席されている皆様には、色々ご支援・ご助言いただき、一緒に創ってこられたのではないかと少し自負しています。パートナーが一番大切だと思いますので、このつながりを来年度具体的プロジェクトの展開につなげていきたいと考えています。私たちが立てた目標のひとつに、共創フォーラムを開港記念会館でやりたいとありました。元々ここはコミュニケーションし討論する町会所でした。また東京藝大を作り、日本美術を世界的に広めた岡倉天心の生誕地でもあります。横浜はオリジナリティそしてクリエイティブな所です。開港記念会館は開港50周年記念施設で、それから100年の時が経過しています。今年は開港150周年ということで、この場所で開催できたことは非常に良かったと思っています。先ほど長期ビジョンというお話がありましたが、私は横浜の課題は歴史の中にビジョンあるいは未来があるように思います。このような大事な資産を活かしながら、未来とともに機敏な動きをする、そういう場であるということで、今年度フォーラムの最終会場に選びました。来年度も具体的プロジェクトづくりを是非一緒にやらせて頂きたいと思っています。

プロフィール

楽天株式会社 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史

三木谷浩史1988年一橋大学卒業後、(株)日本興業銀行に入行。1993年ハーバード大学にてMBA取得。興銀を退職後、1996年(株)クリムゾングループを設立。1997年2月(株)エム・ディー・エム(現・楽天(株))設立、代表取締役就任。同年5月インターネットショッピングモール「楽天市場」を開設。2000年にはジャスダック市場に株式上場を果たす。2008年9月:楽天株式会社代表取締役会長兼社長最高執行役員ECBU担当役員証券&投資BU担当役員クレジット&ペイメントBU担当役員(現任)

横浜市長 中田宏

中田宏1989年青山学院大学経済学部卒業後、財団法人松下政経塾入塾。1993年・衆議院議員(神奈川1区)、1997年・同 (神奈川8区)、2000年・同 (神奈川8区)、2002年・横浜市長(1期)、2006年・横浜市長(2期)。著書として「中田主義-僕の見方、考え方」(講談社)、「ナカダのナゼダ!?」(小学館)、「勉強がキライな子どもたちへ 勉強がキライだった大人たちへ」(ネコ・パブリッシング)、「なせば成る 偏差値38からの挑戦」(講談社)など。

横浜副市長 野田由美子

野田由美子バンクオブアメリカ、日本長期信用銀行、PwCアドバイザリー株式会社パートナーなどを経て2007年6月から横浜市副市長。内閣府「民間資金等活用事業推進委員会」委員。公共事業に民間のノウハウを導入し、経費を削減する手法「PFI」を日本に導入した第一人者として、2004年『ウーマンオブザイヤー』を受賞。著書として「PFIの知識」(日経文庫)など。


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