共創フォーラム報告
'09 第1回 共創オープンフォーラム「共創フロントは、新たな価値を生み出したか」
2009年10月13日 22:59
テーマ:「共創フロントは、新たな価値を生み出したか」...横浜における共創ビジネスの今後を展望する
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フォーラム概要
- 日時
- 2009年8月24日(月)15:30~17:50
- 場所
- ヨコハマNEW ハーバー・tvkカフェ(横浜市中区太田町2-23)

| 15:30~ |
開催挨拶 株式会社テレビ神奈川 事業局長 中村行宏 氏 |
| 15:35~ |
「共創フロントは新たな価値を生み出したか」 共創フロント開設後1年間80件余の提案から、事業化へ結びついたプロジェクトや官民の対話に課題を残した事例を分析、公共における共創プロジェクト成功への秘訣と、そこからあぶり出された官民双方の課題と展望を語ります。 |
| 16:30~ |
「共創プロジェクトはどのように創られ、何処を目指すのか」 ※パネルディスカッション 共創フロント提案から生まれたプロジェクトの当事者が、企業・行政それぞれの立場で何を目指しているのか、また、どのような課題認識を持ちながら共創プロジェクトを進めているのかを語ります。 |
| 17:50~ |
参加者の皆さまへのメッセージ 横浜副市長 野田由美子 |
| 18:00~ |
(交流・意見交換会) |

【開催挨拶】
~横浜市民の方々と共に「公共」をつくることに資する~

株式会社テレビ神奈川
事業局長 中村行宏氏
横浜市 共創推進事業本部の「共創フォーラム」とtvkの「FutureCafe」の共催フォーラムにお越しいただきありがとうございます。「FutureCafe」は、横浜の将来のよりよい「まちづくり」のために有識者や色々な市民活動をされている方々にパネラーとなって登壇していただき、様々な角度から将来の横浜について語り合ってもらえるよう、昨年6月より11回開催して参りました。パネルディスカッションを行った後には、テーブルセッション(ワールドカフェスタイル)にして、参加した市民の方々と直接意見を交わしてもらえるよう行ってきました。テーマとしては、「横浜をとりまく水と大都市横浜との関わり」「森林と都市住民との関わり」「農業と都市住民との関わり」「大学との連携」等、多岐にわたるものです。将来の横浜に向けての知恵あるいは実際に活動されている方々のアクティブな実績などを発信していくことを目的として企てた次第ですが、本日共催できたのも、ひとつの成果ではないか?と喜ばしく感じています。公共サービスの行政だけがつくるものでなく、市民と一丸になって「協働」「共創」をしていくべきと、全国的に発信したのが前横浜市長でした。その流れのなか共創推進事業本部が設立され、窓口の共創フロントには現在100件近い提案があるということですが、本日のフォーラムでは、その件数や内容などについて検証されていくと思います。横浜だけでなく、地方のすすんでいく道筋として非常に重要なことだと思っております。tvk においても「協働」そして「共創推進事業本部」とこれからも色々と積極的にかかわっていこうと思っています。2011年には完全にデジタル化に移行するなかで、地上波の番組だけではなくて、データ放送あるいはその電波を利用したストリートサイネージにも情報発信し、無線LANを利用したコンテンツ配信にも取り組んでいる最中です。そうしたものも横浜市民の方々と共に、公共サービスあるいは公共づくりに資することができるのではないかと考えています。
Session-1 「共創フロントは新たな価値を生み出したか」 ~ 横浜における「官」「民」共創の現場を検証する ~ その1

<コメンテーター>
東洋大大学院
公民連携専攻
根本祐二教授共創推進事業本部は、横浜市が全国の自治体に先駆けて、PPP(Public Private Partnership)として、全庁的に推進する目的で作られた組織です。「官」と「民(市民)」が単純に仲良くするだけでは、癒着や談合となってしまうので、「競争原理」や「透明性」を取り入れることが重要になってきます。色々な自治体で取り組まれてきていますが、そこでは各部署の狭い範囲の発想で、「市民団体に頼めば安くしてくれるだろう」といった近視眼的な視野で行われていることが圧倒的に多いです。縦割りの論理というのが崩れていない。新しい民間企業は知恵を入れて、旧来の行政にない発想を作りあげていくというクリエイティブなところまでなかなかいかないという組織の問題があります。横浜市はいち早くそこに気づき、横割りの体制で責任をもって考えるべき部署として、共創推進事業本部を作りました。これは世界的にも極めて先駆的で稀なものであり、賞賛されるべき試みであります。ただし、「試み」というだけであって、実績が伴うのかというところが市民や企業の皆様の関心の高いところであると思いますので、本日の共創推進事業本部の土井一成本部長自らにこの1年数ヶ月の成果をご発表いただき、市民の皆さんと議論したいと思っております。
~ 成功事例を通し「共創フロント」をさらに進化させる ~

<プレゼンテーター>
横浜市
共創推進事業本部長
土井一成共創推進事業本部の機能は、民間と行政のかけ橋機能と考えております。横浜市の行政機能は18区、20区局に分かれているので、それらと民間をマッチングさせるのが我々の役割です。情報の整理、分析、公民連携に関するガイドライン、基本計画の策定を行い、情報提供・支援や相談、提案、ニーズの把握など対等な視点で取り組んでおります。そして、共創推進のための仕組として「共創推進の指針」「共創フォーラム」「共創フロント」という3つの取組を中心に行っております。本日の主題は、1年2ヶ月前に開設、民間の様々な相談および提案の窓口となっている共創フロント。共創フロントへの相談は既に数百件きていますが、提案の総数は現在のところ98件、全体のおよそ3割が実現または実現の見通しがあります。実現化事例においては、提案事業者・行政・市民ともに様々な価値が創出されております。
実現化事例(13件)
- 寿地区での高齢者の居場所運営と自立支援、ニート若者自立支援を連携して行う事業所を設置(コトラボ合同会社)
- デジタルマップシステムの観光等への公共活用提案(ヤフー株式会社)
- インターナショナルスクールと連携し、市立高校の国際教育プログラムの展開(サンモール・インターナショナルスクール)
- 夏期以外の休業中の屋外プールサイドをインラインスケート場として改修・運営(NPO法人 日本インラインチャレンジ協会)
- ユニバーサルデザイン(バリアフリー)の「横浜観光トイレマップ」を作成・公開(NPO法人 Check)
- 俣野公園野球場の提案募集型ネーミングライツ(学校法人 横浜薬科大学)
- Eコマースを活用して、地域作業所製品を地域ブランド化(楽天株式会社、NPO法人 I Loveつづき)
- 楽天「ニッポンを元気にしよう!プロジェクト・まち楽」サイトにおける、開国博Y150のPR(楽天株式会社)
- コンビニエンスストアとの地域活性化包括連携協定の締結(セブン・イレブン・ジャパン)
- コンビニエンスストアとの地域活性化包括連携協定締結による「みんなと暮らすマチをもっと幸せにする」(株式会社ローソン)
- 障がい者地域作業所による出張販売「わたしは街のパン屋さん」を、地域に立地する企業の事業所で展開(JFEエンジニアリング株式会社)
- 横浜市のバイオマスを活用した再生可能エネルギー創出の共同研究(電源開発株式会社)
- ニューメディアを活用した新たな放送インフラの実証実験(株式会社テレビ神奈川)
コーディネート中の事例(1件)
- パーソナルモビリティを使った地域活性化への提案(セグウエイジャパン)
公民連携手法別の割合は、「協力関係の構築(45件)」「民間活動の支援(11件)」「民間による公共サービスの提供(22件)」「広告事業・ネーミングライツ(9件)」「公有資産の利活用(7件)」「特区・地域再生、その他規制緩和(4件)」、「協力関係の構築」が全体の半数を占めています。月別の提案数は平均すると月7件で増加傾向、提案主体は「株式会社等」が76%と大多数ですが、NPO法人・学校法人・財団法人からも提案を受けています。その提案を、共創推進事業本部自体は小さな組織ですので、「経済観光局(28件)」「教育委員会(12件)」「市民活力推進局(12件)」「行政運営調整局(11件)」「環境創造局(9件)」「健康福祉局(9件)」等々、関係各局にマッチングして参りました。
共創フロントを設置したことで、相談先が明確になったという「窓口設置による効果」、行政ニーズに合わせた提案のブラッシュアップが行えるという「対話による効果ほか「共創がビジネスに与える効果などが挙げられております。今後の課題は実現案件率を向上させること、コラボレーション系に偏らず、予算・資産に関連する案件を増やすこと、予算・法令・住民との関係を調整して困難だった案件を分析していくことなどです。またさらなる発展に向け、行政課題を積極的に民間に発信しながら、民間ニーズと行政ニーズとのミスマッチを軽減させるため各部署の調整を図っていくことを今年の大きな課題としております。実現化できなかった事例の原因分析による手法改善やノウハウの蓄積に励みつつ、成功事例を通して共創についての理解を深めさせていただきたいと考えております。今後も様々な相談・提案を対話しながら、新たな公共づくりをしていきたいと考えております。
Session-1 「共創フロントは新たな価値を生み出したか」 ~ 横浜における「官」「民」共創の現場を検証する ~ その2
<議論1>実施困難の判定はどのように行われているのか?
現在のところ明確ではないのですが、「事業者」「公共」「市民」のメリットを議論して一番近い部署にマッチング、「困難」という回答があっても簡単に諦めることはなく調整していますが、法令や予算上で不可能な場合もあります。今後は第三者の視点も必要ではないかと、アドバイザリーの仕組みを構想中です。
<議論2>関係局別分類件数はどのように分析しているか?
各部署に関係する提案自体は少なくないのですが、ハード部門は時間や公共事業との関係などから短期間での実施は困難な状況があります。
<議論3>地域サービス・公共サービスにおいて、市民からボランティアベースの提案は可能?
その部分は、「区」「市民活力推進局」が先行して行っています。共創フロントでは、現在のところNPO法人などビジネス発想が必要なものについて受け入れています。
<議論4>事業本部の成果だけでなく「共創」の理念を市政に浸透させていくことが重要だと思うが?
基本的に本部はマッチング機能、各事業局が主役。市役所27,000人の職員に定着させていくことは最大の課題であるが大変困難でもあります。セミナーなどで「共創理念」などを逐次行っております。
<コメンテーター総括>
「共創(PPP)とは社会的費用対効果を最大化すること、同じサービスを、より効率的に、より良い質で供給することが重要です。横浜市が先駆的にすすめている「共創」の概念が非常に有効だと考えています。50年後の横浜市を劇的に変えていくような大きなきっかけになると期待しております。
Session-2 パネルディスカッション「共創プロジェクトはどのように創られ、何処を目指すのか」 その1
コーディネーター
共創推進事業本部担当部長 小林賢次郎

事例紹介および担当パネリスト
横浜市×楽天グループ
楽天株式会社執行役員 楽天市場事業副事業長 高橋理人氏
NPO法人I Loveつづき 事務局長 岩室晶子氏
健康福祉局障害企画課就労支援係長 國分忠博
共創推進事業本部 担当係長 石井健一郎
JFEエンジニアリング
JFEエンジニアリング株式会社 経営企画部部長代理 三村広希氏
健康福祉局障害企画課就労支援係長 國分忠博
共創推進事業本部 シニアプロジェクトマネージャー 嶋根直登
ローソン
株式会社ローソン 関東ローソン支社関東FCサポートマネージャー 川崎秀昭氏
共創推進事業本部 担当係長 野上和義
- 地球にやさしいグッとくるマチ ※CO2オフセット
- 人にやさしいホッとするマチ ※AED
- 未来を紡ぐ元気なマチ ※商品開発および販売、大学連携など
セグウエイジャパン
セグウエイジャパン株式会社 取締役マーケティング部部長 秋元大氏
共創推進事業本部 担当係長 石井健一郎
- 公共へのクリーンモビリティ導入チャレンジ ※コーディネート中
~ 横浜市と一緒に日本の商材を世界へ紹介していきたい ~

楽天株式会社
執行役員
楽天市場事業副事業長
高橋理人氏横浜にはたくさんの魅力的な商材があります。楽天が横浜に首都圏初の支社を開設したことをきっかけに共創推進事業本部との対話が始まりました。各自治体の都市が活性するよう『ニッポンを元気にしよう!プロジェクト「まち楽」』サイトをオープン、これが横浜市との最初の連携です。4月28日の「開国博Y150」スタートにタイミングを合わせ、横浜名物を紹介するリアルエージェントの創客、市内500店舗・月間11億円の売上を達成しています。楽天トラベルでは90の宿泊施設、4万泊/月を達成、Y150と楽天事業との融合を共創推進事業本部と取組んだ次第です。(中略)来月からは、楽天も初の試みですが「チャリティーオークション」をやることになっています。横浜に縁のある方々に出品を募り、集まったお金は横浜NGO連絡会 – YNNに渡して、国際協力に貢献・活用してもらおうと考えております。横浜のシビックプライドを一過性のあるイベントだけでなくて、引き続きやりたいと思っています。首都圏の中でも大変人気のある元町商店街を日本だけでなく世界に発信できるお手伝いがしたいと考えています。元町SS会と「民民」連携をして、100以上の店舗を世界に発信していきたい。楽天にとっても、商店街として出店は初めての試み、ブランド価値が高い日本の商材を世界へ横浜市と一緒に発信していきたいです。
~ 「横浜に元気な風を吹かす」 同じ目的をモチベーションに ~

NPO法人I Loveつづき
事務局長
岩室晶子氏共創推進事業本部が、NPO法人と企業を同軸で捉えて取組んでくれていることに感謝しています。地域作業所の商品は丁寧に作られていますが、デザイン力やPRに少し欠けているところを補完すれば、さらにグレードアップして価値あるものになるのではと思っております。作業所に通われている方の賃金は低廉ですが、少しでも自立していくことが出来れば、横浜市の税金問題など、色々な意味で夢をもって取り組んでいるところです。オープンしたばかりで記者発表もせず慣らし運転の段階ですが、これを機会にサイトを訪問してお気に入りを探していただければ嬉しいです。私たちの力だけでは何も出来ないところ、健康福祉局や共創推進事業本部にご協力いただけたことを感謝しています。(中略)行政の方たちの待遇はそんなに変化しないなかで、どのようにモチベーションをあげていくか?夢をもって取り組むか?そんな方策はないか探っています。横浜市の職員になった以上、「街を素敵にしたい」「暮らしやすくしたい」「元気な風を吹かせていたい」というのは、企業もNPOも皆同じ気持ちだと思うので、同じ目的のためにともに頑張っていけたら良いと考えております。
~ 京浜臨海部の可能性を見出す ~

共創推進事業本部
シニアプロジェクト
マネージャー
嶋根直登「共創のテーマとして「企業と一緒に地域をよくする」「市民サービス向上」「ビジネスチャンスの創出」などが考えられます。横浜には都心部・郊外部および臨海部があり、臨海部は工業専用地帯なので足を運ばれるような場所ではなく住民もほとんどいません。今回は末広町の強みに着目、事業所の方合わせて6-7,000人が日夜働かれているエリアで、市の施設もあったり、景観的にも鶴見つばさ橋が見えるなど恵まれた多様な資源があります。ここで官民連携プロジェクトを立ち上げたいと思い、事業者の方々と対話をさせて頂きました。「官民」という直線の連携だけでなく、行政が仲介して企業者間「民民」なども積極的に提案させて頂きました。
~ 「民民連携」 においても共創推進事業本部に期待 ~

JFEエンジニアリング
株式会社
経営企画部
部長代理
三村広希氏今回の事例は障がい者の就労者支援ということでパンの販売をしているのですが、当社の本社機能は東京、鶴見は造船所を主体とした事業所でしたが、一昨年前に本社機能を横浜に移転、グループ社員4,000人が日中勤めており、鶴見線という支線の弁天橋駅は工業地帯で、コンビニも出店してはいけない地域で、非常に困っている状況がありました。JFEエンジニアリングという名前からは事業がわかりにくいと思いますが、公共の施設を手掛けるような事業体なので、PPP(公民連携)という中では、役所と連携する機会ばかりで、民間と連携することはほとんどありませんでした。本社地区を活性していきたいと色々と考えていた矢先に、共創フロントで対話窓口があることを知り、許認可のような一方的なつながりでなく対話をして一緒に考えていくひとつのきっかけになり、地域フォーラムそして周辺の企業含めて対話しているところです。「日中、パンだけでも売っていただければ」という話がきっかけになり、今まで市庁舎でしか売っていなかったパンを民間でも売ってもらえるという事が実現できました。地域の中で我々ができること、権利だけでなく義務を果たせるような提案ができたら良いと考えています。(中略)共創推進事業本部の方々は明るくてポジティブで良いと思います。公民連携について臨海フォーラム中心に企業と調整しているなか、昼間の弁天地区住人としては、コンビニや交通問題などがあります。セグウエイ走らせられたら良いな?とか思いついたりしました。最近の若い方に建設業・エンジニアリング業が興味を持ってもらえてないのは切実な問題です。サイエンスフロンティア高校が隣の駅に出来て、優秀な学生が通ってきています。地域が活性化するように色々な視点から「民民」連携にも取組み、弁天地区が認知されるようにしていきたいと思っております。
~ 共創推進事業本部の柔軟な発想が解決へのヒント ~

株式会社ローソン
関東ローソン支社関東FC
サポートマネージャー
川崎秀昭氏 ローソンはコンビニの中では環境問題に積極的に取り組んでいる方だと自負しております。今回の包括連携協定の締結にあたって、昨年から当社から横浜市に人材派遣として出向している人間から「横浜市との包括連携協定提案があり実現した次第です。ローソンは47都道府県の展開を計画しています。AEDはまだ4店舗しか設置していません。地域の大きなスーパーにはAED設置されていますが、24時間やっているところはありません。コンビニにはAEDが設置してあり、メンテナンスが提供され、地域の方や商店街と連携していけたら良いと考えています。「はまっこどうし」は水道局と対話していて、新しいパッケージを作ったきっかけにもなっていて、横浜市で販売するとカーボンオフセットが提供されます。5月26日~7月31日まで14トンの贈呈式を今後考えています。ローソンとして地域の方とできることは何か?と考えて決まりました。9月の上旬から横浜市にEVを6台導入することも計画されています。(中略)横浜市の大学とハッピーローソンで何かできないかなど「官民」「官民民」コラボレーション色々考えています。現在、1都9県に包括連携協定を企画しているなか、共創推進事業本部の方たちの発想がとても柔軟なところが勉強になっていて、他地域との交渉時にもプラスになっております。
Session-2 パネルディスカッション「共創プロジェクトはどのように創られ、何処を目指すのか」 その2
~ 歴史的にも意味のある横浜で「持続可能なモビリティデザイン」を ~

セグウエイジャパン株式会社
取締役
マーケティング部部長
秋元大氏 セグウエイジャパンはコンピューターグラフィックスをつくった会社が前身です。(中略)日本の省庁や政治家の方のところにセグウエイを紹介しにいくと「日本には道路交通法があって走れない」と口をそろえて言われました。「そんなにみんなが言うなら変えてみよう!と思い、自分たちでパーソナルモビリティが都市に浸透する夢を実現しようと、セグウエイジャパンを立ち上げました。パリやウィーンに「危ないのか」「楽しいのか」「本当に生活に浸透するか」を視察にいきました。私の答えは「問題ないな」というところです。現在ではアメリカでも45州が走行可能です。EU圏もイギリス以外は通行可能です。大体2-3年かけて評価をもらっています。チャレンジしてみたかったのがそもそもの理由ですが、自分たちで騒いでいても意味がないことを実感し、そういうまちづくりに興味がある自治体とやっていきたいと思いヒアリングをしました。たまたま前市長を紹介してもらい興味をもってもらった次第です。横浜は開港150周年、アイスクリーム、ガス灯など、黒船の外圧を受けて色々な文化が発祥した地であること、歴史的にも意味のある横浜で起業するに至りました。(中略)セグウエイは簡単、ルールをつくって運用すれば、ほぼ事故はおきません。米国のディズニーワールドで400台を数年間運用していますが、接触事故もクレームも起こっていません。従来の乗り物のように「遠くに」「速く」「安く」というインターフェイスとして作られているからです。それだけに既存の法律には合わないのですが、セグウエイの良いところは「人と挨拶するようになる」ところです。事実アメリカの警察ではセグウエイ導入していますが、コミュニケーションが活発になってきています。「声を自然にかけられる街づくりこそが、人々が安心して暮らせる街であろう」と考えるようになりました。日本でセグウエイが走るようになるのは本当に困難なことだとは思っておりますが、普通に取組んでもおそらく10年かかるだろうと思いますが、私たちは5年で実現したいと考えております。
~ 切実な現実問題である「費用」を考える ~

健康福祉局
障害企画課
就労支援係長
國分忠博障がい者の就労支援において、一般企業の就労と地域作業所などで福祉サービスをうけながら働くという2つの方法あります。後者はまだまだ自立につながっていないという現状があります。規模の小さい15人程度の作業所の工賃は、1ヶ月6,700円程度です。20人以上の大きい規模で16,600円程度です。30,000円程度の工賃があれば、グループホームなどで一人暮らしが出来ます。工賃アップは我々の大きな課題になっています。事業所の方々は日々の業務が多忙ですから、費用の改革をすすめていくのは困難なので行政福祉局の役割だと思っております。インターネットを用いた販路の拡大、販売の場所を提供していただく支援は大変ありがたく、今後も積極的に行っていきたいと考えています。一方、一般企業で働いていくためには、職業能力を高める必要もあり、企業の方々にも障がい理解を促進頂きたいという二面があります。社会参加をさせていただくことが大切です。今後も実施の受け入れなど協力させて頂きたいと思っております。
~ 第三者の参加で成功に導く ~

共創推進事業本部
担当係長
野上和義どの事業にも絡む話だと思うのですが「お金」の負担がやはり困難です。AEDはとても高価で、市内200店舗ほどローソン店舗に設置する場合、数千万規模の話になります。ローソンもそこまでの負担は困難、横浜市もそこまでさせられないという思い、義務化しても負担していない施設もあり、両者平行線だったのですが、「第三者」として自治会や町内会が加わるスキームが対話の中ででてきて、何とか成就して今回のような展開になりました。他の事例においても、大学や企業など、それぞれの強みやメリットなどを享受できるようなスキームに私達が仕立てられると打開できるかもしれないとヒントになった事例です。
~ 規制の概念にとらわれずチャレンジ ~

共創推進事業本部
共創推進事業本部
担当係長
石井健一郎横浜をセグウエイジャパンが選んで設立してもらったこと、まずは一つのゴールだと思っています。数ヶ月前に共創推進事業本部に提案をいただき行政が着目した理由は「環境モデル都市」「パーソナルモビリティ」「国際プロモーション」がキーワードとなっています。象の鼻「海フェスタ」金沢動物園にとどまることなく、今後も多面的な手法でセグウエイをアピールしていきたいと思っています。
~ 総括 「民間事業者」「行政」「市民」三方よしを尊重しながら対話を続ける ~

共創推進事業本部
担当部長
小林賢次郎共創推進事業本部は、まだまだ始まったばかりで試行錯誤の連続ではありますが、柔軟な発想をもって、結論ありきではなく、それぞれの立場からの対話を通して、何か新しいものを作っていこうとトライアルは続いております。「民間事業者」「行政」「市民の三方の立場を尊重しながら、互いにどんな付加価値が生み出せるのかを気にしながらプロジェクトをすすめております。今後が重要、横浜市役所全体の課題として定着させていかなければならないことをあらためて認識しております。ぜひ今後とも「対話」「コミュニケーションを通して、「官民民」「民民民」などのネットワークをどんどん拡げて、地域に根ざした活動が生まれることを願っていると同時に、共創フォーラムが、あらたなものを生み出す素地になれば良いと考えております。

~ 市役所全体そして市民に浸透させていくことが課題 ~

横浜副市長
野田由美子「官」から「民」へ一方的なやり方ではなく、「民の「ノウハウ」「知恵」「アイデア」をどのように行政課題に生かしていくか、そのためには「官」の土俵のなかで「民」が仕事をするのではなく、「民」のイニシアティブのもと対話を重ね、ゼロベースで「共に創る」という思いをもって4月に「共創推進事業本部」が立ち上がりました。また「民民」のつながりを「官が触媒となってファシリテーションをしていくという、横浜市の様々な貴重な資源をつかって、「民」がイノベーションを生み出せるようフォーラムやフロントを設けてきました。試行錯誤の組織で、まだまだ小さな事例ではありますが、今後も多くの成功事例が生まれることが重要で、さらには市役所全体・市民の方々に浸透させていくことが課題だと考えています。
プロフィール
東洋大学大学院 根本祐二
東洋大学大学院 経済学部研究科 公民連携専攻教授、1954年鹿児島生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、日本政策投資銀行入行。経済企画庁、米国ブルッキングス研究所、開銀設備投資研究所研究員、地域企画部長を経て2006年から現職。金融マンとしての経験と人脈を生かし産業や地域の再生を専門にしている。内閣府、国土交通省、東京都などの委員会委員多数。(東洋大学ホームページより)主な著書:「地域再生に金融を活かす」(学芸出版社)「公民連携白書」(時事通信社、共著) ほか。
横浜副市長 野田由美子
バンクオブアメリカ、日本長期信用銀行、PwCアドバイザリー株式会社パートナーなどを経て2007年6月から横浜市副市長。内閣府「民間資金等活用事業推進委員会」委員。公共事業に民間のノウハウを導入し、経費を削減する手法「PFI」を日本に導入した第一人者として、2004年『ウーマンオブザイヤー』を受賞。著書として「PFIの知識」(日経文庫)など。